障害の程度に応じて、フルタイムとパートタイムの二通りの勤務形態を導入したいと考えています
小嶋翔
株式会社アウロンパートナーズ
障害のある社員にとって、そのときの健康状態や障害状況に応じて勤務時間の選択が可能であることは、日常の職業生活のなかで体力の維持に配慮ができ、ひいては継続就労をも可能にするという利点があります。
しかし、企業にとっては不安定な労働力として、現場の管理者から敬遠されるという面があることも否定できません。
また、障害のある社員だけ特別な対応をすると、本人に精神的な負担を強いることもありますので、できれば社員全体に適用している制度の一環として対応するのがよいと思います。
たとえば、育児や介護のための短時間勤務制度を導入している場合には、同様の条件下で障害のある社員への適用を検討するなどの方法が考えられます。
もちろん、障害のある社員だけの特例として、勤務時間の短縮を可能にしている企業もありますが、この場合は勤務時間数に応じた処遇を明確にしておくなどの対応が欠かせません。
勤務時間の短縮ではありませんが、障害のある社員で通勤に車を利用していたり、混雑する電車では負担が大きかったりする場合には、混雑の時間を避け、勤務時間をスライドすることも負担を軽減するひとつの手段となります。
たとえば、所定の勤務時間が午前9時から午後5時30分の場合に、それぞれ30分繰り下げ、午前9時30分から午後6時までとする方法です。
また、労働時間を自由に設定できるフレックスタイム制度(コアタイムをつくる)の導入も検討できます。