障害別研修の説明

障害の有無にかかわりなく能力や適性には個人差がありますので、一概に最良の研修方法を決めるのは難しいです。

特に障害部位によっては現場実習が困難だったり、作業実習に時間を要したりするなどがありますので個別の対応も必要になります。

したがって、できるかぎり他の社員と同じ場で履修できるような配慮をすべきですが、障害の程度や本人の意欲や能力によっては個別対応も検討すべきです。

同じ場での研修では履修がむずかしいと判断し、別途の教育や個別指導の場を設ける場合には、本人にもその旨事前に説明しておくとよいです。

特に研修の機会が与えられず、育成の面から取り残されてしまうという不安を抱かせないような配慮が必要です。

以下に教育研修の場における配慮事項の例をあげておきますので、参考にしてください。

研修における障害別配慮の例

聴覚障害の場合は、手話通訳や要約筆記のサポートが有効です。

手話通訳をつけない場合でも、講師の口の動きで内容を判断することがあるので前のほうに席を設けたり、研修の終了後に聞き取れなかったところが質問できるような時間を設けます。

こうすることで遅れずに学び取ることが可能になります。

視覚障害のなかでも弱視の場合は、既存の研修資料を拡大コピーするだけでも負担はかなり軽減されます。

点字資料が必要な場合は前もって点字翻訳を依頼しておきます。

点字翻訳は、新入社員教育などで時期が重なるときには時間を要しますので、前もって十分な時間をとって準備します。

また本人の希望を確認して録音も行なえるようにすれば、講義内容をあとで確認することが可能になります。

なお、点字翻訳については、高齢・障害者雇用支援機構・障害者雇用情報センターで無料サービスを行なっていますので利用するとよいです。

研修施設によっては車椅子の対応が困難であったり、四肢の不自由な場合などに食事のセルフサービスができないこともありますが、周囲の協力を呼びかけることによって、対応が可能になります。

新人研修などでは顔見知りもなく、本人から依頼しにくい場合もありますが、研修担当者から周囲の協力を呼びかけるなどの配慮があればサポートを得られやすいものです。

車椅子使用の場合や運動機能障害がある場合などでは、トイレを利用するのに時間がかかることもありますので、休憩時間は十分とるようにしてください、短い休憩時間のときなどには、遅れてくることもかまわない旨前もって伝えておくと、無理をせずにすみます。

時間がなくトイレを我慢してしまうために、膀胱炎などを患うこともありますので注意が必要です。

知的障害のある場合は一人ひとり適切な対応が異なることが多いため、できるだけマンツーマンで具体的な指導が求められます。

言葉での説明だけでなく、実際に一緒にやってみて、繰り返しゆっくり時間をかけて指導し、必要に応じて職務を単純化したり、段階的に指導するのが効果的といわれています。

新入社員教育などでは、障害のある社員と一緒に研修を受けることによって、日頃接触の少ない障害のある人への理解が進み、その後の職場でも自然体で必要なサポートをするようになるという二次的効果も生まれます。

職場での受け入れをスムーズにするためには、障害のない社員への啓蒙も重要な
ポイントですので、こうした機会を上手に活用したいものです。