工場の生産現場などの交替制勤務において、障害のある社員を深夜のローテーションに組み入れる場合
小嶋翔
株式会社アウロンパートナーズ
在宅勤務に関しては、既存の就業規則に含まれていない事項の取り決めが必要です。
たとえば、勤務管理や業務報告の方法、出社時の取り扱い、在宅で使用する機器の調達や貸し出し方法、電話やファクスの通信費、光熱費の取り扱いなど、通常の勤務では必要とされない項目について取り決めが必要です。
これらの事項は、就業規則に盛り込まれていることが望ましく、そうでない場合は「覚書」を交わしておく方法がとられています。
労働者災害補償保険で業務災害と認められるためには、「労働者が労働契約にもとづき事業主の支配下にある状態」に起因するものであることが必要です。
しかし、在宅勤務者については事業主の直接的な管理下ではなしに業務に携わることになり、個々の行為については在宅勤務者の任意に委ねられているといってよいでしょう。
在宅勤務の特質から勤務中に業務と私生活が混在しがちなことはやむをえないことですが、そのために在宅勤務中に発生した災害については業務上の災害であるかどうかの判断がむずかしくなることがあります。
しかし、具体的な認定にあたっては在宅勤務中に発生した災害であっても、他の災害と同様、個々の事案ごとに担当業務に起因して発生したものかどうか調査したうえで判断されますので、業務災害の補償対象とならないわけではありません。
労働者災害補償保険の適用については、その前提の状況が確立されている必要があります。