過去の判例において、雇用契約や人事管理上、障害があるがゆえに特別に問題となったようなケースはあまりみられません、会社の対応として問題となったケースでも、障害のある場合のそれではなく、障害のない社員でも同様な対応をすれば問題となるというようなケースがほとんどです。

しかし、経営者や人事管理担当者が「障害者だからこれくらいはかまわないだろう」と
か、「障害者だから一般社員とは違って当たり前」などと、人権を無視した対応をしたり、周囲のそうした対応を黙認したりしている場合には、管理者責任が問われるのは避けられません。

数年前のケースでは、滋賀県でおきた知的障害のある社員の障害基礎年金を横領した事件、茨城県での知的障害のある社員に対する暴力や性的暴力事件、助成金の詐取事件など、人権侵害が刑事事件として扱われています。

これらのケースは通常の人事管理上の問題というよりも人権侵害のケースで、知的障害のある人の人権を侵害した経営者の実態が明らかになり、裁判でも有罪の判決が下されています。

いずれにしても企業が社員の人権を損なわないようにすることは当然のことであり、障害者問題についてだけでなく、日頃から社員に対して人権についての啓蒙活動をするなどの地道な活動が欠かせないといえます。