工場の生産現場などの交替制勤務において、障害のある社員を深夜のローテーションに組み入れる場合
小嶋翔
株式会社アウロンパートナーズ
日常業務を通して障害のある社員との接触がある場合は、自然に必要な配慮が身につくことが多いようです。
しかし、日常生活や職業生活のなかで触れ合いがない場合には、どうしても必要な配慮に欠けたり、不慣れがゆえの遠慮があったりするものです。
一方、障害のある社員にとっても、初めて配属された部署での緊張や遠慮から、頼みたいことも言葉に出せず無理をすることになり、一人で悩んだり、体調を崩したりするといったこともみられます。
これらの問題の大半は、周囲のちょっとした手助けや協力で解決できるものです。
また、終始必要となる配慮というのは限られたものであり、はじめのうちだけ手助けが必要ということも多くありますから、最初の対応を負担と感じないように現場を指導することは、結果的に障害者雇用に対する理解を深めることにもなります。
その意味で、障害のある社員に対してどのような配慮が役立つかを事前に周囲の社員が理解しておくことは、いろいろな面で働きやすい環境を整えられる条件整備といえるでしょう。
企業の実例としては、管理職研修や社員研修で障害者雇用についての理解を深める時間を設けたり、顧客としても障害のある人に接する機会の多いサービス業では、新人研修などで障害のある人への対応を訓練したりしています。
配属が決まってから改めて啓発活動をするよりは、日頃からできる範囲で理解を深めるよう心がけるほうが成果があがるでしょう。