【WEBマーケティング −ダイソーの例】Instagramを使った自社商品の紹介
Webサイトと連携させた高品質な画像投稿
企業名:株式会社大創産業(100円ショップ「ダイソー」)
店舗数:5741店(海外含む)
売上高:5015億円
企業が抱えていた課題
手軽に商品を購入できる100円ショップ「ダイソー」を展開し、国内外で高い評価を得ている株式会社大創産業。
1977年の設立から現在に至るまで、国内外に5000店舗以上展開する同企業ですが、意外にもアプローチできる顧客層は多くありませんでした。
ダイソーのように様々な商品を扱う小売店舗では、すべての商品を顧客に知ってもらうのが困難だからです。
基本的に100円ショップは、日用品がなくなったときに訪れるところです。
「石鹸が切れてた・・・よし100円ショップにいこう」というように、何か買いたいものがあったときに、初めてお店として選択肢に上がります。
このような特徴は「日用品ならここ!」というブランドを確立するには良かったものの、安定的に売れる商品とそうでない商品の差が大きくなる、という新たな問題も引き起こしました。
購入できるもののイメージが付きやすかったからです。
たとえば石鹸やボディソープなどの日用品は、購入する人が多く認知度が高いためよく売れます。
しかし、トイレットペーパーを有効活用する「ロールペーパーケース」などの隠れた名品は、そもそも顧客に知られていないことが多く、なかなか売れません。
このように「認知されればヒットする」という商品の扱いに、ダイソーは困っていました。
そこで社長役員一同は、Instagramを用いたマーケティング活動に目を付けます。
どのような戦略をとったか
まず、企業側から顧客にアプローチするために、自社商品をおしゃれに魅せる写真を多く投稿しました。
このとき、キャラクターシールをスマホケースにおしゃれにカスタマイズするなど、使用シーンをイメージしやすい工夫も行いました。
ダイソーの公式アカウントをみても分かりますが、どの写真も専門のカタログにのっているのではないか、と勘違いするほどクオリティが高いです。
説明文には商品の種類が細かく表示され、実際に店舗に行って何を購入すればよいかを、イメージしやすくなっています。
また、時間と曜日を決めて定期的にライブ配信をするなど、見込み客との関係性構築を重視した施策も多いです。
普段からこのような施策を実施しているため、緊急の要件やキャンペーン情報などの情報発信もやりやすくなっています。
Instagramのユーザー層に合わせているため、10~20代女性からのアクションが多いです。
また、ハッシュタグ検索も重要視しており、各投稿に「#100円ショップ」といったハッシュタグを数多く掲載しています。
ハッシュタグとは、ユーザーが検索するキーワードのことです。
ユーザーが情報収集する際に用いられ、購入率を上げるのに重要だと言われています。
たとえば、手作りバレンタインチョコに使う包装用紙を探している人は、「#バレンタインラッピング」と検索し、商品を探します。
そこで気に入った商品があれば購入に至る、というわけです。
ハッシュタグ検索を行うユーザーは、特に購買意欲が高いといわれています。
ダイソーは、このようなユーザーを取り込むために、ほぼすべての投稿にハッシュタグを設定しています。
どのような効果が出たか
もともとの知名度が高かったため、2015年1月に初投稿してからユーザーからの反響を得るのに時間はかかりませんでした。
同年6月には、髪飾りを実際に着用した画像を投稿し、高いエンゲージメント率を獲得しています。
それからも見やすくまとまりのある画像を投稿し続け、現在では各投稿で平均3,000~10,000件以上のいいねを獲得しています。
数時間前に投稿した画像でも、瞬く間に数千人規模のユーザーに見られ、twitterなどの他SNSに投稿されることも多いです。
もともと商品のクオリティに定評のあったダイソーですが、SNSという媒体を得て、新たに企業側から顧客にアプローチできるようになりました。
今まで隠れていた名品も、多くのユーザーに見られることで、安定的な売上を達成しています。
画像が主体のInstagramと、小売業の商品紹介との相性が抜群で、さらに勢いを増している印象です。