障害者雇用

障害の程度に応じて、フルタイムとパートタイムの二通りの勤務形態を導入したいと考えています

小嶋翔

採用にあたっては、雇用条件を明確にしたうえで雇用契約を結ぶことになります。

フルタイムの社員として採用を検討している場合でも、フルタイムとパートタイムの選択を可能にしておくとよいでしょう。

障害が重度だから一律にフルタイムは無理だろうと決めつけるのではなく、フルタイムが困難な場合には、パートタイムとしての雇用の可能性もあることを前もって提示しておくと、応募する側にも選択の幅が広がります。

障害のある人の場合は、雇用の場を確保したいために体力的に多少無理を感じていても提示された条件を受け入れがちです。

したがって、初めから無理をしてフルタイムの勤務を開始し、途中で継続就労ができなくなるよりは、無理をせずにパートタイムでの勤務で様子をみて、フルタイムへの移行を検討したほうが、企業にとっても障害のある人にとっても負担が少なく、結果として安定した雇用が可能となります。

また、フルタイムとして勤務している場合でも、障害によっては高齢化にともなう体力の低下が著しい場合などがありますので、こうした点からも本人の申し出によりパートタイムに変更できる選択肢を用意することは、継続就労を可能にする手段になります。

当人の意思を確認せずに企業側から一方的にパートタイムへの変更を申し出ることは、生活維持の問題や身分保障ともかかわる重要な問題となりますので避けるべきでしょう。

あくまでも本人の意思を確認したうえでの選択肢としての勤務形態の多様化は、障害者雇用の可能性を広げるものとなります。

なお、パートタイムとしての採用、特に短時間勤務の場合で実雇用率にカウントされるようにするには、その契約期間や障害の度合い、勤務時間などが条件となりますので注意が必要です。

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