工場の生産現場などの交替制勤務において、障害のある社員を深夜のローテーションに組み入れる場合
小嶋翔
株式会社アウロンパートナーズ
社員の育成やキャリア開発については、障害の有無にとらわれることなく個人の意向と資質を考慮したうえで考えていく必要があります。
企業は採用した人材の能力が十分に開発され、発揮されることを願っており、そのための努力は惜しまないでしょう。
この点に関しては障害がある場合でも同じで、いかにその人材を活かしていくかが企業経営の大きな課題になります。
しかし、残念ながら障害のある社員の育成やキャリア開発に関しては、これまであまり積極的に考えられてこなかったというのが一般的です。
「障害があるからこの職務は無理だろう」
「障害があるのだからこの程度でがまんしよう」
と、会社側も障害のある社員の側も取り組みを諦めたりする傾向があったようです。
いうまでもなく個人の能力を障害の有無で一義的に判断してしまうのは誤った考え方であり、これまでは正しく理解されていることが少なかったといえるでしょう。
障害のある社員が能力を発揮して、継続就労をしていくことが障害者雇用の促進をさらに進める大きなポイントであり、企業の努力だけでなく障害のある社員自身のやる気も大切になってきます。
企業としては、教育機会の提供やキャリアに関する情報提供などについて、社員の一人として隔たりなく対応することが求められます。
何よりも障害のある社員が障害があるがゆえに差別されているという感じをもたないような対応が望まれます。