障害のある社員が所属している部門を子会社化し、全員が出向となる場合、雇用率上は従来どおり親会社のカウントでよいのか
小嶋翔
株式会社アウロンパートナーズ
最低賃金制度は、国が賃金の最低額を定め、事業主はその金額以上を支払わなくてはならないという制度です。
産業別、地域別に定められており、その金額は官報への掲載や各都道府県労働局の掲示板に掲示されるほか、労働基準監督署や公共職業安定所でも知ることができます。
産業別と地域別など複数の異なる最低賃金が該当する場合は、もっとも高い金額が適用されます。
この対象となるのは毎月支払われる賃金で、賞与、時間外勤務手当、休日出勤手当、深夜勤務手当や通勤手当などは含まれません。
最低賃金の除外は、最低賃金を適用することでかえって雇用がむずかしくなるなど、その適用が適切でない場合に限られ個別許可を条件に認められます。
つまり他の労働者と比較して著しく労働能力が低い場合に限って適用除外の措置が受けられ、障害があるというだけで適用除外となるわけではありません。
また、許可には有効期間が定められているので、その労働者が期間内に労働能力の向上がみられず許可を延長したい場合には、期間内に再度、許可申請をする必要があります。
許可期間内に最低賃金が改定された場合は、改定された率に応じて賃金を調整しなければなりません。
申請手続きは、事業所を管轄する労働基準監督署経由で、都道府県の労働局長に申請書を提出します。
事前に都道府県労働局賃金課や管轄の労働基準監督署に相談しておくとよいでしょう。
特に初めての場合は、公共職業安定所から得られるその地域の状況なども参考にして、現状に即した条件で申請をするとよいでしょう。
なお、許可を得ずに最低賃金を下回る賃金を支払った場合には最低賃金法により処罰されますので注意してください。